郊外に家を買い、引っ越しました。
その結果、都市ガスからプロパンガスに変わりガス代が凄いことに・・・。
ガス代を削減するために安いガス会社に変更しようとしたら、なんと!
現ガス会社を解約するのに、違約金が発生することがわかりました。
これからプロパンガス会社と契約する人は、気を付けてください。
今回はプロパンガス契約の注意点についてまとめたので、参考にどうぞ。
では、さっそくお話しますね。
プロパンガス契約では14条書面に注意
プロパンガスの契約をするとき、販売店は14条書面を交付しなければなりません。
この書面には、ガス契約の重要事項が記載されています。
かならず内容を読み、分からないところはシッカリ聞いておきましょう。
納得いかない項目があるなら、安易に契約してはいけません。
納得できるまで聞くか、記載内容の変更を申し入れましょう。
- 14条書面とは?
- 液化石油ガス法第14条に定める書面のこと。略して「14条書面」と呼ばれる。
- LPガス販売事業者が一般消費者と販売契約をするときに、書面で交付しなければならない内容が定められている。
- 液化石油ガス法とは?
- LPガスやLPガス器具の製造・販売に対して規制を行うことにより、災害の防止と取引の適正をねらった法律。
14条書面には、以下のことが書かれています。
参考 一般社団法人 エルピーガス振興センター
- 14条書面の記載内容
- ・LPガスの種類
- ・LPガスの引渡しの方法
- ・料金(料金制度の内容、料金制度の考え方など)
- ・設備の所有関係(どれが販売店所有で、どれが消費者所有か)
- ・設置、変更、修繕および撤去に要する費用の負担方法
- ・消費設備(ガス配管、給湯器、コンロなど)を販売店が所有している場合は、利用料や支払方法
- ・契約解除時に消費者が消費設備に係る配管を買い取る場合の金額や算定方法
- ・消費者、販売店、保安機関の保安上の責任
このうち、よくトラブルになるのは以下の3つです。
- 料金
- 所有権
- 契約解除
それぞれ、もうちょっと詳しくお話しますね。
プロパンガス契約の注意点1、料金
料金は必ずチェックしておきましょう。
「高い!」と感じたら、値下げ交渉してもOKです。
では、プロパンガス料金の内訳から見てみましょうか。
プロパンガスの料金は、基本料金と従量単価に分けて計算するガス会社が多いです。
基本料金には以下のようなものが含まれ、ガスを全く使わなくても請求されます。
- ボンベ運搬にかかる費用
- 月1回の検針費用
- ガスメーター維持費
- 圧力調整器の費用
- 保安管理費用
いっぽう、従量単価には以下のものが含まれ使用量に応じて請求されます。
- プロパンガスの原料費
- プロパンガスの配送料
- プロパンガスの販売にかかる諸費用
請求されるプロパンガス料金は、以下の式のとおりです。
ガス料金 = 基本料金 +(従量単価 × 使用量)
まず、基本料金と従量単価が明確か、よく確認しておきましょう。
これを曖昧(あいまい)にするガス会社だと、高いのか安いのか判別できません。
ちなみに、石油情報センターのホームページでLPガス小売価格の平均が見られます。
どれぐらいが相場か、契約前に確認しておきましょう。
参考 一般社団法人 日本エネルギー経済研究所「石油情報センター」
プロパンガス料金の計算方法については、こちらで詳しく解説しています。
知っておきたいなと思う方は、参考にどうぞ。
-
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プロパンガス料金の値下げと値上げに関する記載
もうひとつ。
値上げに関する記載も確認しておきましょう。
プロパンガスは、頻繁に値上げがあります。
原材料費が上下するので仕方ないのですが、次の2つは要チェックです。
- どんな方法で値上げを通知するのか?
- 値上げ理由が解消したら値下げするのか?
値上げは書面で事前通知してもらいましょう。
検針票(ガス使用量のお知らせ)による通知では、事前確認も交渉もできません。
それと、値上げ理由(原材料費の高騰など)が解消すれば値下げするのが当然。
でも、値上げばかりで値下げしないガス会社もあるので、要注意ですよ。
プロパンガス契約の注意点2、所有権
あなたの家のガス配管、所有権はダレになってますか?
新築するとき、ガス工事やガス機器の費用をガス会社が負担するケースがあります。
これを無償貸与と言い、プロパンガス業界ではよくあるのです。
つまり、無償貸与されているガス配管や機器の所有権は、ガス会社にあるということ。
利用料が月々のガス料金に上乗せされ、償却が終わるまで続きます。
ちなみに、民法242条を理由に「所有権は家の所有者にある」とした判例もあります。
242条
不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。引用:WIKIBOOKS「民法242条」より
ようするに「ガス配管は建物に結合しているので、建物所有者のもの」ということ。
この判例では、次に説明する違約金を払う必要がないと判断しています。
2ページによくまとまっているので、興味がある方は一度読んでみてください。
参考 不動産適正取引推進機構「最近の判例から(2010.7 No.78)」(PDF)
無償貸与になっていない物件を買う方がいいかもしれませんね。
プロパンガス契約の注意点3、契約解除
LPガス設備の無償貸与の契約期間は、15年が一般的。
私のように契約期間中に解約(契約解除)すると、違約金という形で未償却分を請求されます。
所有権や違約金、無償貸与の償却期間については、ちゃんと確認しておきましょう。
家を売るときや、ガス会社を変更するときに「え?はぁ?(怒)」となりますよ。
プロパンガス会社を変更したいときの違約金清算方法
プロパンガス会社を変更するとき、違約金の支払い方法が2つあります。
- 自分で払う
- 新ガス会社に引き継いでもらう
たとえば、ガス工事や機器の費用として10万円分を無償貸与してもらっている場合。
毎年1万円ずつ、ガス代に上乗せして償却しているとします。
5年経過したときにガス会社を変更すると、5万円の違約金が発生します。
これを新ガス会社が肩代わりして引き継いでくれる場合があります。
新ガス会社が引き継いだ5万円は、新ガス料金に上乗せして償却します。
プロパンガス会社は利用者に選択の自由がある
まんがいち、何度話し合いをしてもプロパンガス会社の料金や契約内容に納得できない場合はどうしましょう?
じつは、契約するプロパンガス会社は利用者が自由に選んでいいのです。
でも、この事実は意外と知られていません。
ある調査によると、約半数の人が知らなかったとか・・・。
プロパンガス会社と契約するときは、複数社の料金やサービスを比較しましょう。
そのうえで、一番良心的な会社を選べば、あとあと困る可能性をグッと減らせます。
プロパンンガス会社の料金比較サービス「enepi」
ガス会社の料金やサービスを比較するのに、ひとつオススメのサービスを紹介します。
enepi(エネピ)を使えば、WEB上で複数社のガス代やサービス内容を比較できます。
気に入ったガス会社があれば、コンタクトを依頼すればOK。
ガス会社を切り替えるケースでは、エネピが新ガス会社と旧ガス会社の交渉や調整もしてくれます。(自分で解約しなくていい場合も)
自分で良心的なガス会社を探す必要がないので、とても便利です。
わが家のガス代が高いのか安いのか、シミュレートすることもできます。
たとえば、こんな感じです。↓
最近は、安いプロパンガス会社に切り替えられるサービスが増えてきました。
その中では、WEBで料金やサービスを比較できるエネピが使いやすそうです。
他は、とりあえずガス会社から連絡がきて見積もり・・・みたいな感じでした。
わが家は、エネピを使って年間4万円のガス代削減に成功しました。
良心的なガス会社を探している人は、一度試してみてください。
まとめ
プロパンガス会社と契約するときは、まず14条書面の内容をシッカリ見ましょう。
あとで問題になりやすいのは「料金・所有権・契約解除」の項目です。
裁判になるほどもめることもあるので、よく確認しておきましょう。
ガス会社を選ぶときは、複数社の料金やサービス内容を比較することが大切。
そのうえで、一番良心的な会社を選びましょう。